身体が寒さにだいぶ慣れた状態です。
この時期から少しずつ暖かく感じる日が増えてくる感じがします。
啓蟄を迎える前日の2026年3月4日、福島県浜通りを歩きました。私が歩いた時間帯は5℃ほどで、まだ寒さの残る日でした。
その翌日、3月5日の啓蟄には最高気温が10℃台まで上がりました。気象記録を見返してみても、ちょうどこのころから少しずつ春へ向かっていたことがわかります。
散歩中に見ている田んぼ横の用水路では、寒いころは水の底であまり動かなかったおたまじゃくしが、啓蟄のころには活発に泳ぐようになりました。
啓蟄の基本情報
節気名 啓蟄
読み方 けいちつ
2026年の日付 3月5日
意味 土の中で冬を過ごしていた虫たちが、少しずつ動きはじめるころ

立春・雨水から、いのちが動き出すころへ

二十四節気では、立春から穀雨までの六つを春の節気と考えます。
啓蟄は、立春、雨水に続く三番目の節気です。
- 立春 … 暦の上で一年があらたまる日。春のスタートライン。
- 雨水 … 雪や氷がとけ、降るものが雪から雨へと変わっていく頃。
- 啓蟄 … 土の中の虫や小さないのちが、外の世界へ動き出していく頃。
立春が「光が変わる日」、雨水が「水が動き出す日」だとすれば、啓蟄は「いのちが表に出てくる日」と言えるかもしれません。
啓蟄だけを読むより、立春、雨水、啓蟄と順に見ると、春が少しずつ進んでいく感じが分かりやすくなります。
用水路のおたまじゃくしが活発に動き始めた
啓蟄は、冬ごもりしていた虫たちが動き始めるころとされています。
私がこの時期に変化を感じたのは、虫よりも田んぼ横の用水路でした。
水辺に目を向けると、冬のあいだじっとしていたおたまじゃくしやカエルたちも、少しずつ姿を変えていきます。

わたしの散歩コースの田んぼの用水路でも、真冬のあいだは黒い影のように動かないで固まっていたおたまじゃくしたちが、啓蟄の頃になると活発に動きはじめていました。
この用水路は何年も見続けている場所なので、毎年少しずつ違う「動きはじめのタイミング」があることにも気づかされます。
水はまだ冷たいのに、からだのどこかで「そろそろ外へ出る準備」をしているのだと思うと、とても不思議で、これから手足が生えてくるのを見るのが楽しみです。
啓蟄は、「春が来た!」と大きく景色が変わるというよりも、足もとや水の中で起きている小さな変化に気づくための季節なのかもしれません。
啓蟄の七十二候 ― 三つの小さな季節
二十四節気をさらに細かく分けたものを、七十二候(しちじゅうにこう)と呼びます。
七十二候の言葉は、もともと中国の古い表現から来ています。
七十二候には漢字を音読みする呼び方もありますが、日本では季節の情景が伝わりやすい和語の読み方で紹介されることが多くあります。
たとえば、啓蟄の七十二候は次のように表されます。
初候 蟄虫啓戸(すごもりむし とをひらく)
音読み:ちっちゅうけいこ
冬ごもりしていた虫が、土の戸をひらいて外へ出てくる頃。
次候 桃始笑(もも はじめて さく)
音読み:とうししょう
桃のつぼみがふくらみ、花がほころびはじめる頃。
末候 菜虫化蝶(なむし ちょうと なる)
音読み:さいちゅうかちょう
青虫がさなぎになり、やがて蝶へと姿を変えていく頃。
こうして眺めてみると、啓蟄の二週間ほどのあいだに、「虫が目覚める → 花が開く → 蝶が飛び立つ」という、一続きの物語が描かれているようにも感じられます。
七十二候を知っていると、「今日はどの候だろう」と空や庭を見上げるきっかけになります。
忙しい毎日でも、ほんの数十秒だけ季節に目を向ける時間が生まれます。
まとめ ― 春の「目覚め」を静かに受け取る
啓蟄(けいちつ)は、
- 冬ごもりの虫が目を覚ます頃をあらわす季節名であること
- 毎年3月上旬から中旬にかけての二十四節気であること
- 立春・雨水につづく、春の三番目の節気であること
を見てきました。
足もとや水辺で、静かに動き始める小さないのち。
その変化に気づけるかどうかで、春の深さが変わってきます。
わたし自身、何年も同じ散歩道を歩いているからこそ、毎年少しずつ違う「動きはじめのタイミング」に気づけるようになった気がします。
特別などこかへ出かけなくても、いつもの道を歩くだけで季節の変化は見えてくるものだと感じています。
2026年の啓蟄のころ、私が春の変化を感じたのは、いつもの用水路のおたまじゃくしでした。
真冬にはほとんど動かなかったものが泳ぎ始めると、季節が進んだことがよくわかります。
これからも、いつもの道を歩きながら季節の変化を見ていきたいと思います。
啓蟄から数日後、散歩中にフクジュソウを見つけました。
そのときの様子を紹介しています。


